“貧嚢”の読み方と例文
読み方割合
ひんのう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
武蔵は、眼もくらむ心地がして、選び取るのに迷った。元より彼も、良い刀は欲しかったが、今日まで、彼の貧嚢ひんのうではそれを望んでみる余裕すらなかった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はいって、いたところ、案外高い値をいう。というても、四両か五両の程度であったろうが、崋山の貧嚢ひんのうでは手が届かない。けれど帰宅後も、その画が眼底から消えもやらぬここちがしていた。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)