貂蝉ちょうせん)” の例文
見れば、金華の車蓋しゃがいに、珠簾しゅれんの揺れ鳴る一車がきしみ通って行く。四方翠紗すいしゃ籠屏ろうびょうの裡に、透いて見える絵の如き人は貂蝉ちょうせんであった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今、おまえは、わしの眼をぬすんで、貂蝉ちょうせんへたわむれようとしたな。——わしの寵姫ちょうきへ、みだらなことをしかけようとしたろう」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
薄命な貂蝉ちょうせんはよくその恩を知っていた。王允もわが子のごとく愛しているが、彼女も聡明で、よく情に感じる性質であった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その夜、呂布は貂蝉ちょうせんの室へはいった。見れば、貂蝉はとばりを垂れ泣き沈んでいる。どうしたのかと訊くと、海棠かいどうの雨に打たれたような瞼を紅にはらして
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜は、貂蝉ちょうせんをはべらせて、酒宴に溺れ、昼は陳大夫ちんたいふ父子を近づけて、無二の者と、何事も相談していた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妾の名は、貂蝉ちょうせんという。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)