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豼貅
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ひきゅう
ふりがな文庫
“
豼貅
(
ひきゅう
)” の例文
するとたちまち、あたりは暗くなり、雲のごとき気流のうちから、数千の
豼貅
(
ひきゅう
)
(大昔、中国で飼い馴らして戦場で使ったという猛獣のこと、
豼
(
ひ
)
は
雄
(
おす
)
、
貅
(
きゅう
)
は
牝
(
めす
)
)
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてこの呼延灼、
韓滔
(
かんとう
)
、
彭玘
(
ほうき
)
の三大将軍がひきいる三軍、あわせて一万四千の
豼貅
(
ひきゅう
)
(猛兵)がいよいよ都門をたつ日の
旺
(
さかん
)
な光景といったら形容のしようもない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それも道理、妖法が吹き放った
豼貅
(
ひきゅう
)
は、梁山泊軍の上まで行くと、みなハラハラただの
枯葉
(
こよう
)
になったり紙キレになって、何の加勢にもならずに仕舞ったものである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういう暴挙は、
保元
(
ほうげん
)
・
平治
(
へいじ
)
の世にも行われたことがある。宮は必死になった。かつては吉野の奥、十津川の原始林をとりでとして
豼貅
(
ひきゅう
)
を
叱咜
(
しった
)
した生命の持ちぬしでもある。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義貞は杯を横へ
抛
(
ほう
)
った。——投げると見えたほど朱の杯は輪を描いてころがり、そしてとっさに一匹の
豼貅
(
ひきゅう
)
は、その盲目的な勢いとたくましい体の下に勾当の内侍をねじふせていた。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
血に狂う
豼貅
(
ひきゅう
)
数万の大将として、尊氏が慎重でないわけはない。おそらくは、いまや
動顛
(
どうてん
)
狼狽の極にあろう内裏の
大宮人
(
おおみやびと
)
たちが——わけても後醍醐のご進退が——彼の胸にも想像されて
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
豼貅
(
ひきゅう
)
(戦いを好む猛獣)数万の者が、このところ
刀鎗
(
とうそう
)
の血をぬぐって、いささか休息のため人間社会の中へ返っている。そして戦いなき夜を眠っていた。いやなかなか眠りもしていまい。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
顕家はよくその
豼貅
(
ひきゅう
)
(中国で昔、飼い馴らして戦陣に使ったという猛獣)
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“豼貅(
貔貅
)”の解説
貔貅(ひきゅう、「豼貅」と書くこともある)は伝説上の猛獣の名。一説には貔が雄で、貅が雌であるとされる。また、貔貅という語は一般に勇ましい兵卒のたとえとしても用いられる。
(出典:Wikipedia)
豼
部首:⾘
11画
貅
部首:⾘
13画
“豼”で始まる語句
豼