豪放磊落ごうほうらいらく)” の例文
役員のひとりで、豪放磊落ごうほうらいらくなG博士が肩幅かたはばの広い身体からだをゆすりあげ、設けの席につくと、みんなをずっと見廻みまわしたのち
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
「わはははは、今日かぎり、もう村夫子は廃業したはずじゃないか。お互いに軍人だ。これからは天空海闊てんくうかいかつに、豪放磊落ごうほうらいらくに、武人らしく交際つきあおうぜ。なあ長兄」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども、かれは豪放磊落ごうほうらいらくを装い、かまわんかまわんと言って背広服で料理屋に乗込んだものの、玄関でも、また廊下でも、逢うひと逢うひと、ことごとく礼服である。
佳日 (新字新仮名) / 太宰治(著)
酔態淋漓すいたいりんり、然し人前で女にれなかったそうであるから私より大いに立派で、私はその点だらしがなくて全く面目ないのだが、私は然し酒間に豪放磊落ごうほうらいらくだったという父を妙に好まない。
石の思い (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
一体毛沼博士は、外科の教授に在勝ありがち豪放磊落ごうほうらいらくな所があって、酒豪ではあるし、講義もキビキビしていて、五十二歳とは思えない元気溌剌げんきはつらつたる人で、小事には拘泥しないという性質たちだった。
血液型殺人事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
あの豪放磊落ごうほうらいらくな男がしおれ返って、自分の前に頭を下げているではないか。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)