譲歩じょうほ)” の例文
と先生がたはしばらくふみこたえるが、けっきょく譲歩じょうほする。照彦様にいたっては正三君の耳を引っぱって
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その代り、こちらもまたあるところまで行くていと、妥協だきょう譲歩じょうほをしておきます、な。螢や疝気の虫を
猫八 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
「どうだろうなあ、心霊学会だけに出るということに譲歩じょうほして、一つ出てもらえないかしらん」
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかし事自身が悪いことでもないのだから、社会的調和性ちょうわせいがあるなら、譲歩じょうほ出来ぬほどのことでもない。青年が、正義を愛することは正しい傾向だが、小正義を偏愛することは大乗的だいじょうてきでない。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
「ないね。絶望だ。それ以上譲歩じょうほすると、わが海底都市は生存のための海底開拓ができなくなる。水深五百メートルのところまでは、絶対に自由行動をみとめてもらわねば困る」
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
博士は、かたい決意を眉のあたりに見せて、譲歩じょうほのできないことを主張した。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)