謫居たっきょ)” の例文
金之助の謫居たっきょのまわりも、庭木の紅葉したものがなかなか散らず、枝から枝へのどかに小鳥の鳴きわたるような日が幾日も続いた。
落ち梅記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
四つの罪人永く追いやられ、アダムはヒンドスタンに、エヴァはジッダに、蛇はイスパハンに、エブリスはシムナーンに謫居たっきょした。
伏見の謫居たっきょは一年間であった。その一年が過ぎると、一応、停職を解かれ第十六師団司令部附となり現役に復したが、その翌日附をもって予備役に編入された。
私が張作霖を殺した (新字新仮名) / 河本大作(著)
海は少し遠いのであるが、須磨の関も越えるほどの秋の波が立つと行平ゆきひらが歌った波の音が、夜はことに高く響いてきて、堪えがたく寂しいものは謫居たっきょの秋であった。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
源氏が日を暮らしびているころ、須磨の謫居たっきょへ左大臣家の三位さんみ中将がたずねて来た。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)