該当がいとう)” の例文
そこで、私が最初に言いたいことは、特に日本の古典には、Cに該当がいとうする勝れた滑稽こっけい文学が存外多く残されている、このことである。
FARCE に就て (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
この興行は、大入り満員の売切れつづきで、すばらしい人気を博したのみならず、その人気に該当がいとうする実質を、見る人に与えたようです。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
人相書も付随しているので、一時警視庁は、それに該当がいとうする人物の探査に全力を傾注けいちゅうした。モスコーの犯人の動機は、宗教上の狂信的な妄執もうしゅうからだった。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
しかし誰一人として、糸子に該当がいとうする婦人を見たものはないということだった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
自分は日本の着物の煩瑣はんさえなくなって、三年ほど前から日本服を廃して洋服に取かえてみた。椅子いすに腰掛け寝台ねだいに寝ることにした。これは今日世間で流行する改造とかいうことに該当がいとうしている。
独居雑感 (新字新仮名) / 永井荷風(著)