詰衆つめしゅう)” の例文
権兵衛が詰衆つめしゅうに尋ねられて答えたところはこうである。貴殿らはそれがしを乱心者のように思われるであろうが、全くさようなわけではない。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
子供たちは引き返して、門番の詰所つめしょへ来た。それと同時に玄関わきから、「なんだ、なんだ」と言って、二三人の詰衆つめしゅうが出て来て、子供たちを取り巻いた。
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そこで始て自分に礼を行うのだと知った。次いで常の如く中の口から進もうとすると、玄関の左右に詰衆つめしゅうが平伏しているのに気が附いた。榛軒はまた驚いた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
奉行所に来て門番と応対し、次いで詰衆つめしゅう与力よりきに願書の取次を頼んだ事、与力らに強要せられて帰った事、およそ前日来経歴した事を問われるままに、はっきり答えた。
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)