触媒しょくばい)” の例文
ずいぶん豚というものは、奇体きたいなことになっている。水やスリッパやわらをたべて、それをいちばん上等な、脂肪や肉にこしらえる。豚のからだはまあたとえば生きた一つの触媒しょくばいだ。
フランドン農学校の豚 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼は、おそらくあの女の澄んだ歌声を触媒しょくばいとして展開する、過去の中の自分の純粋さを愛している。が、同時に、その過去とはこんりんざい対面したくない気分で生きているのだ。
軍国歌謡集 (新字新仮名) / 山川方夫(著)