解毒剤げどくざい)” の例文
「世界は多数のナポレオンを要しない。見よ。欧羅巴ヨーロッパは一つしかないではないか? よし。おれが解毒剤げどくざいこしらえてやる」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
* 最近、日本に現われた「大衆文学」というものは、どんな芸術的主張をもつのか解らないが、とにかく現文壇への解毒剤げどくざいとして、一つの公開さるべき処方である。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
「こりゃいかん。解毒剤げどくざいをすぐ!」と、この状況に予想もし得ない意外な言葉を吐いた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
マコーレーの作は、その文章も健全であり、その主題も実生活に触れているので、今夜のような場合には、迷信的空想に対する一種の解毒剤げどくざいの役を勤めるであろうと考えたからである。
もしそうであれば、それだけかえって必要な解毒剤げどくざいかもしれない。
雑記(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
解毒剤げどくざい
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)