観客くわんかく)” の例文
今夜の観客くわんかくには学者、芸術家、政治家が多数を占め、中にはその若盛わかざかりの日からユウゴオの讃美者であつたらしい白髪の貴婦人れんも交つて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
其れから大詰に仇方かたきがたに仕へて居る彌五郎の息子野助のすけ(実は力彌りきや)が主人の為に父と戦ひ一刀に斬られる所がある。これ等も変つて居るので観客くわんかく大受おほうけである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
除夜とは云へ巴里パリイ人にはこの月からう正月の芝居である。芝居のはねるのは元日の午前一時まへになるので、十二時を越すと観客くわんかくたがひに「おめでたう」を交換して居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)