親疎しんそ)” の例文
それ戦いにあたるや、功あるは賞し、罪あるは罰す。正明せいめい依怙えこなく、軍に親疎しんそなし、奮戦ただ呉を負って、魏を破れ。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを攻めに来る幻滅の半鐘はまた反対にいつでも頭の外から来るような心持がした。両方を公平に取扱かっているつもりでいながら、彼は常に親疎しんその区別をその間に置いていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
見て愛惡あいをの心生ずるは是人情なり然すれば知らず/\依顧贔屓えこひいき沙汰さたにも成ゆくにより心に親疎しんそのなきやうにとねむりて訴訟を聽れたりとぞ何さま容貌かほかたいうにやさしく見えると雖も心に惡を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
が——君は、親疎しんそのへだてなく人に接すること簡で、明察鋭い。だから疑いもない。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)