見迥みはる)” の例文
しの竹の垣を結んだ一囲いの墓畔は、すぐ生田川の流れを見迥みはるかされる、高みのある松林のはずれに建てられた。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
筒井はもう猶予できずに姉弟に家にはいるようにいい、とり急いで塗籠くらの階上にのぼって行った。その重いほこりの深い扉を開けると、門前一帯が見迥みはるかされた。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)