西藏チベツト)” の例文
新字:西蔵
これがKの、西藏チベツトのお伽噺——恐らくはKの創作であらう——といふものであつた。話上手のKから聽かされては、この噺は幾度聽かされても彼にはおもしろかつた。
子をつれて (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
西藏チベツトや印度の蒙昧信者が身を棄てる如きも誰か今日之を是認しよう。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
西藏チベツトでは死人の肉を鳥に喰はせるのが禮式だと云ふし、南洋のある島では老父母を殺して其の肉を喰ふのが子たるものの義務になつて居るさうだ。人種には人種特別の習慣があるから致し方がない。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)