襤褸切ぼろぎ)” の例文
又五郎とその女房のお半は、どんなにもがき苦しんだことか、血嘔吐ちへどの中に、襤褸切ぼろぎれのように醜くゆがめられ、つくねられ、ひねりつけられて死んでいたのです。
吉例だとあって朝鮮の鶴と称するものの吸物を出す家があったが、それが妙に天井のすすのような臭気のある襤褸切ぼろぎれのような、どうにも咽喉に這入りかねるものであった。
新年雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)