襖側ふすまぎわ)” の例文
するとその襖側ふすまぎわのうす暗がりには、私の全く見知らない四十恰好しじゅうがっこうの男が一人、端然として坐っていた。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
洋一は襖側ふすまぎわに立ったなり、ゆるんだ帯をしめ直していた。どんな事があってもお母さんを死なせてはならない。どんな事があっても——そう一心に思いつめながら、…………
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)