裳抜もぬけ)” の例文
魂が裳抜もぬければ一心にしゅうとする所なく、居廻りに在る程のものことごと薄烟うすけぶりに包れて虚有縹緲きょうひょうびょううちに漂い、有るかと思えばあり、無いかとおもえばないなかに、唯一物あるものばかりは見ないでも見えるが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)