裨補ひほ)” の例文
愚おもえらく、宮中のこと、事大小となくことごとく以てこれにはかり、しかる後施行せば必ずよく闕漏けつろう裨補ひほして広益するところあらん。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早稲田大学は学問の独立を本旨と為すを以てこれが自由討究を主とし常に独創の研鑽けんさんつとめ以て世界の学問に裨補ひほせん事を期す
早稲田大学の教旨 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
欧州各国近世道の上進を裨補ひほするもっともリベラールの功に在り、されどもリベラールの論はなはだしきに過ぐる時は国権はついに衰弱せざるを得ざるに至るべく
近時政論考 (新字新仮名) / 陸羯南(著)
斯の如き有益にして人智開発上裨補ひほする所ある営業の代表者の来りて、帝都に開店したるを見て、吾人は直ちに賛成の意を表したり。然るに両三日前午後五時頃一人の肥胖漢ひはんかんあり。
れその学問を独立せしむるの道に於て裨補ひほ少なからざるを信ずるなり(大喝采)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
けだし、宗教の一世を感化して風教を裨補ひほする点は、全くこの一事であります。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
ただ余が微意は、さきに述ぶるがごとく、国家の隆治を助けて国民の本分を尽くさんとするにあれば、もしこのことにして幸いに文運の万一を裨補ひほすることを得ば、いずれの本懐かこれに過ぎん。
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)