衰容やつれすがた)” の例文
ひとりに余る心細さに、宮は男のたもとを執りて泣きぬ。理切ことわりせめて荒尾もその手を払ひかねつつ、吾ならぬ愁に胸塞むねふさがれて、にもと覚ゆる宮が衰容やつれすがたまなここらしゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)