血涙けつるい)” の例文
儂はこれを思うごとに苦悶懊悩おうのうの余り、しば数行すこう血涙けつるい滾々こんこんたるを覚え、寒からざるに、はだえ粟粒ぞくりゅうを覚ゆる事数〻しばしばなり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
したがって、かりに田川大作のような狂熱的きょうねつてき青年がいて、血涙けつるいをふるって叛軍はんぐんに同情するようなことがなかったとしても、塾生たちが冷静でありうる道理がなかった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
儂思うてここに至れば、血涙けつるい淋漓りんり鉄腸てっちょう寸断すんだん石心せきしん分裂ぶんれつの思い、愛国の情、うたた切なるを覚ゆ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)