蜻蛉返とんぼがえ)” の例文
この牡猴は無類の盗賊で芸を演ずるかたわら一日分の食物を盗むから、マア数分間見ていなさいとあって、猴使いがその猴を棗売なつめうりの側へ伴い行き蜻蛉返とんぼがえりを演ぜしめた。
これに反してマックの方は判定を聞くと同時にぽんと一つ蜻蛉返とんぼがえりをして自分の隅へ帰ったようであった。つまりそれだけの体力の余裕を見せたかったのではないかと思われる。
映画雑感(Ⅵ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
汪克児オングル (成吉思汗ジンギスカンの前に進んで、妙な手つきをして月を仰ぐ)曇り、後晴れ。ああ、好い月じゃなあ。(自分へ)これ、外道、口が軽いぞ。(おのが口をつねって、蜻蛉返とんぼがえりを打つ)
実に馬鹿なもので、政府が蜻蛉返とんぼがえりをして居っても一般人民はほとんど知らない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)