“虞氏”の読み方と例文
読み方割合
ぐし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
漢の高祖との戦に破れた項羽こううが、虞氏ぐしとの別れの切なさを歌ったものだが、今日の重衡の心境そのままをいいあらわしてまことにみごとであった。
「知っておけ。義貞、この女はぞっこん好きで好きでならぬが、さりとていくさを怠るものではない。そちまでがわしを虞氏ぐしに溺れた項羽こううのごとき愚将と見るな」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四面楚歌声と誰かゞ落書したのが目に這入り楚歌の歌の字がことに大きく見えて、何とも知れず頭に響く者があると同時に、その柱が芸子髷に花笄はなこうがいを挿し、それが小歌のようで虞氏ぐしのようで
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)