虚無僧ぼろんじ)” の例文
「あの、ただいまの虚無僧ぼろんじを?」と、女中は一方へ気兼ねをして、すぐには応じかねていると、あんじょう、向うでは聞きとがめた九鬼弥助が
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上方では摂津旧島下郡と旧武庫郡とにそれがあって、「徒然草」に虚無僧ぼろんじの仇討で有名な宿河原は、普通に武庫郡の方の事として解せられているが、実はどちらだかわからぬ。
エタ源流考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
「先ほど、お鳥目を投げておやり遊ばしたあの虚無僧ぼろんじが、ご挨拶あいさつを申したいから、是非二階のお武家衆の席へ通してくれと申しますが……」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いいえ、何も別段なことじゃないんですけれど、ちょうど、お隣で断わられた虚無僧ぼろんじさんに一きょく吹いて貰いたいと思いますの。ご苦労だけどここへ呼び入れて下さいませんか」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
物貰い風情の虚無僧ぼろんじに素町人と云われちゃ勘弁ならねえ、かアッ、これでも食らやがれ
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その脇屋義助は、兄の旨をうけると、まもなく二人の虚無僧ぼろんじを寺中かららっして来た。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もし帰ってみてまる焼けになっていたら、この正月を控えてどうするンだと、女房子をつれて石尊様へ掛合いに行かなくッちゃならねえ。ねえ虚無僧ぼろんじさん——そんなものじゃありませんか
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あ、あんな所に二人の虚無僧ぼろんじが——」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
虚無僧ぼろんじだよ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)