つゝ)” の例文
しやしやり出るお勝、清左衞門に手嚴てきびしくやられて、つゝましく塗り隱した野性が彈き出されたのでせう、今にも飛びかゝりさうな氣組です。
我等が立てる甲斐の山の峻峭しゆんせうを以てするも、近づいてこれるゝ能はず、つゝしんでその神威を敬す、我が生国の大儒
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
室内なかへ進んでいつて、つゝましくお辭儀をして、私が見上げると、黒い柱——さう、少くとも一見、私にはさう見えた——眞直ぐな、幅の狹い、黒い着物を着たものが、敷物の上に棒立ちになつてゐた。
つゝましき胸壁のうち、いと暗き芝生のあたり
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そんな調子で露拂ひをするガラツ八の後ろから平次はつゝましい顏を出して、初秋の陽の明るく當るむしろを剥ぎました。
つゝましき馬を立たす。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
萬事ひかへ目な差圖役に廻つて、家の中の取締りから、仕事萬端は、才智にたけて、實行力のある妾のお小夜が引受け、養女のお冬は、お人形のやうにつゝましく