虎賁こほん)” の例文
「自分は漢朝に仕えて、今では虎賁こほん中郎将の職を奉じている。君も、社稷しゃしょくを扶けて大いに国事に尽していると聞いて、実は今夜、祝いに来たわけだ」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古くより虎賁こほんなどいう武官職名もあり、虎符を用いた事もあるから件の牌には虎頭を鐫り付けたのだろう。
勅して、順平侯とおくりなし、成都郊外の錦屏山きんぴょうざんに、国葬をもって厚く祭らしめた。また、その遺子趙統ちょうとうを、虎賁こほん中郎に封じ、弟の趙広を、牙門がもんの将に任じて、父のつかを守らせた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
虎賁こほんの軍隊三十余万が、旌旗せいき旆旛はいばんを林立して、台下に立ちならび、このほか匈奴きょうどの黒童や化外かがいの人々も、およそ位階あり王府に仕えるものはこぞって、この祭典を仰ぐの光栄に浴した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)