蘆花ろか)” の例文
本も、——彼の小学時代に何度も熱心に読み返した蘆花ろかの「自然と人生」やラボックの翻訳「自然美論」も勿論彼を啓発した。
僕は、聖書の事と、それから、蘆花ろかのことを言ったけれども、かなわなかった。木村の思想は、ちゃんと生活においても実行せられているのだからすごいのだ。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
影男は東京にも地方にも多くの家を持っていたが、世田谷せたがや区の蘆花ろか公園の近くにも、樹木の多い広い地所と、隠居所ふうのささやかな日本建ての家があった。
影男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
文壇の聖者といわれた蘆花ろか徳富健次郎氏、市外千歳ちとせ村の邸に閉じ籠って、いっさい客を絶ち俗界と絶縁、京王電車の下高井戸で下車、畑道を約五丁ばかり、生垣をめぐらした一軒の平家建て
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
蘆花如雪雁声寒 〔蘆花ろかは雪の如く かりの声は寒し
十九の秋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
芹川さんは、学校に居た頃から漱石そうせき蘆花ろかのものを愛読していて、作文なども仲々大人びてお上手でしたが、私は、その方面は、さっぱりだめでございました。ちっとも興味を持てなかったのです。
誰も知らぬ (新字新仮名) / 太宰治(著)
世田谷せたがや区のはずれの蘆花ろか公園のそばですよ」
影男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)