藤枝外記ふじえだげき)” の例文
この母子おやこがお屋敷というのは、麹町こうじまち番町ばんちょう藤枝外記ふじえだげきの屋敷であった。藤枝の家は五百石の旗本で、先代の外記は御書院の番頭ばんがしらを勤めていた。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
今もなお箕輪心中みのわしんじゅうと世に歌われる藤枝外記ふじえだげき、また歌比丘尼うたびくに相対死あいたいじにの浮名を流した某家のさむらいのように、せめて刹那せつなうるわしい夢に身をはたしてしまった方がと
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)