藕糸ぐうし)” の例文
旧字:藕絲
他なし、渠はおのがまなこの観察の一度達したるところには、たとい藕糸ぐうしの孔中といえども一点の懸念をだにのこしおかざるを信ずるによれり。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女たちの噂した所の、袈裟けさえば、五十条の大衣だいえとも言うべき、藕糸ぐうし上帛はたの上に、郎女の目はじっとすわって居た。やがて筆は、たのしげにとり上げられた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)