薀蓄うんちく)” の例文
まだまだ多年の薀蓄うんちく、こんな創思はあり余って居るが、愚者道を聞いて大いにこれを笑う世の中、遺憾ながら筆を無駄使いせぬようこれ位でやめる。
オシラ神の事については、ことにこの方面の研究にはなはだ多くの薀蓄うんちくを有せられる佐々木喜善君の報告を、本誌創刊号上において紹介するを得たことを光栄とする。
断念をした広太郎、銅兵衛の屋敷にとどまって、薀蓄うんちくを傾け防戦準備、それに専心することにした。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今この自分、六樹園石川雅望が、このありあまる国学の薀蓄うんちくを傾けて敵討物を書けばどんなに受けるかしれない。大衆は低級なものだ。他愛ないものだ。拍手喝采はくしゅかっさいするであろう。
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)
されば風早學士は、自然哲學者として甚だ説が多い。また研鑚けんさんも深い。雖然けれども學士はだヘッケル氏の所謂「熟せる實」とならざる故を以て其の薀蓄うんちくの斷片零碎をすら世に發表せぬ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
漢籍においても相当の薀蓄うんちくはあったので、その師は今いちいちこれを尋ぬるに由がないけれど、菅大納言益長の文明六年十二月に逝去せるを悲しみて、「譜代の鴻儒当時の碩才なり」と称え