蕪湖ウウフウ)” の例文
私は西村貞吉と一しょに蕪湖ウウフウの往来を歩いていた。往来は此処も例の通り、日さえ当らない敷石道である。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
蕪湖ウウフウもそんなに悪い所じゃないぜ。第一社宅は大きいし、庭も相当に広いしするから、草花なぞ作るには持って来いだ。何でも元は雍家花園ようかかえんとか云ってね、——」
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「いいえ、まだ五六日は御滞在ごたいざいでございましょう。それから何でも蕪湖ウウフウとかへ、——」
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし今は日本に、——炎暑の甚しい東京に汪洋おうようたる長江を懐しがっている。長江を? ——いや、長江ばかりではない、蕪湖ウウフウを、漢口ハンカオを、廬山ろざんの松を、洞庭どうていの波を懐しがっている。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
蕪湖ウウフウ住みをするようになったら、発句ほっくでも一つ始めるかな。」
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)