蔵屋敷くらやしき)” の例文
旧字:藏屋敷
「おばさんが、木挽町こびきちょうだなんて教えたから、とんだ廻り道をしちまったじゃないか。あそこは蔵屋敷くらやしきで、住居すまいは麻布村のくぼだぜ」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蠣殻町かきがらちょうの浅野の屋敷のまえを通り、川っぷちをつたいながら弥太堀の近くまで行くと、蔵屋敷くらやしきのならびの大黒堂の横手に、五十ばかりの汚い布子を着た雪駄せった直しが
途中何やかやと話し合いながら呉服橋ごふくばしから蔵屋敷くらやしきを通って日本橋へ出た泰軒とお艶。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
親分の銀五郎は、今日も蜂須賀の蔵屋敷くらやしき下屋敷しもやしきの方へお百度詣ひゃくどまいりだ。例の、阿波入りのため、便乗する関船手形せきぶねてがた入国御免切手にゅうごくごめんきって、二つを手に入れなければならないので。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)