蔦蘿つたかづら)” の例文
媼は痩せたるひぢさし伸べて、洞門をおほへる蔦蘿つたかづらとばりの如くなるを推し開くに、外面とのもは暗夜なりき。濕りたる濃き霧は四方の山岳をめぐれり。
一行はアルバノの山をえたり。カムパニアの曠野ひろのは我前によこたはれり。道の傍なる、蔦蘿つたかづら深くとざせるアスカニウスのつかは先づ我眼に映ぜり。
われは却歩あとしざりして、高き圓柱の上に、木梢こずゑ蔦蘿つたかづらとのおほひをなしたるところに出でぬ。石がきの面をばあやしき影往來す。