蔚山うるさん)” の例文
日露戦争に、蔚山うるさんの沖でロシヤ艦隊をやっつけたわが上村巡洋艦隊は強かった。しかし蔚山海戦は、巡洋艦と巡洋艦との戦いだったのだ。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
と云っていたが、まもなくこの飛行士は蔚山うるさん福岡間の海峡飛行の時にじぶんの空想が事実となって現れたのに驚いた。
追っかけて来る飛行機 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
黒塗り真円まんまるな大円卓を、ぐるりと輪形に陣取って、清正公には極内ごくないだけれども、これを蛇の目の陣ととなえ、すきを取って平らげること、焼山越やけやまごえ蠎蛇うわばみの比にあらず、朝鮮蔚山うるさんの敵軍へ
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
北朝鮮の寒さには、さすがの日本軍もなやまされ、春の雪どけまで、蔚山うるさんしろをきずいて籠城ろうじょうすることになった。加藤清正、浅野幸長あさのゆきなが、それに毛利勢の部将ぶしょう宍戸備前守ししどびぜんのかみらがいっしょである。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
問題は蔚山うるさんの籠城といふ章だつた。蔚山なんて字はつひぞ見たこともない。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
これが慶長の役で、加藤清正の蔚山うるさん籠城なぞはこの時の事である。
碧蹄館の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)