蒲葵クバ)” の例文
蒲葵クバの葉の簑笠で顏姿を隱し、杖を手にしたまやの神・ともまやの神の二體が、船に乘つて海岸の村に渡り來る。
先島サキジマの中には、まやの国といふ彼岸の聖地から、まやの神及びともまやと称する神が来るとしてゐるものもあつて、此は、蒲葵クバの簑笠を被つた異形神であります。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
八重山諸島では、村の祭りや、家々の祭りに臨む神人・神事役は、顔其他を芭蕉や、蒲葵クバの葉で包んで、目ばかり出し、神の声色や身ぶりを使うて、神の叙事詩に連れて躍る。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
蒲葵クバ(=びらう)の木が神聖視されるのは、多く此木にあふりがあると見たからである。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
春の初めにまやの神・ともまやの神の二神、楽土から船で渡つて来て、蒲葵クバ笠に顔を隠し、簑を着、杖をついて、家々を訪れて、今年の農作関係の事、其他家人の心をひき立てる様な詞を陳べて廻る。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)