落合おちあひ)” の例文
田代 南京領事館の落合おちあひさ。君の手紙をもつて、先生のところへ呶鳴り込んだつていふんだ。日本人は見下げ果てた人種だつて云つたさうだ。
昨今横浜異聞(一幕) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
新井の薬師の帰りに、大久保へ出て、野々宮君のうちまはらうと思つたら、落合おちあひ火葬場やきばへんみちを間違へて、高田へ出たので、目白から汽車へ乗つて帰つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
落合おちあひ驛を過ぎて、路二つにわかる。一は新道にして木曾川の流に沿ひ、一は馬籠峠まごめたうげえて妻籠つまごる。われは其路のわかるゝ一角に立ちて、久しくその撰擇に苦しまざるを得ざりき。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)