きん)” の例文
「ろくな所へ行きおらん、あんな、かんかん虫どもの集まッとる所へ行ったら、ペストきんにとッつかれる。自体、何しに行ッたんじゃ」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
謄写版とうしゃばんの『草の実』は、すぐ火鉢ひばちにくべられた。まるで、ペストきんでもまぶれついているかのように、あわてて焼かれた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
マングロープの木。ゴムの木。それからスコール。マラリヤ。デング熱のバイきん。カヌーという丸木舟。火山。毒矢……ああ、いくらでもでてくる。が、このへんでやめておこう。
恐竜艇の冒険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうですとも。もう地上ではいねを植えるわけにはいかないし、お芋やきゅうりやなすをつくることもできないです。そんなものをつくっていても、いつ空から恐ろしいばいきんや毒物を
三十年後の東京 (新字新仮名) / 海野十三(著)