莚旗むしろばた)” の例文
「百姓町人が莚旗むしろばた押立おしたて、濃州の野を血に染めても、兵部少輔殿の巧智と弁佞べんねいに勝つ見込は無い。——金森家を潰すも貴殿、金森家を興すも貴殿だ」
此方こなたの岸には武器をたずさえ、武装した藩の武士たちが充ち満ち、対岸には百姓一揆の大衆が、莚旗むしろばたや神社ののぼりや、節句に用うる吹き流しをさえ立て、時々威嚇的に喊声をあげたり
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)