莚升えんしょう)” の例文
○左団次の遺子莚升えんしょう、父のあとを享けて明治座を経営する事となる。時に二十五歳。九月十五日より「牛若丸」と「疎忽の使者」を上演。
明治演劇年表 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
鏡台わきの手拭かけにあった白地に市川という字が手拭一ぱいの熨斗のしの模様になって、莚升えんしょうと書いてある市川左団次の配り手拭をとらせると、上手にあねさんかぶりにして、すっと立上ると
そのときは二代目左団次がまだ莚升えんしょうといった若い頃で、高倉宮を勤めていた。松居君はその後、明治座のために「後藤又兵衛」を書き、日露戦争当時には「敵国降伏」を書いた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)