荒原くわうげん)” の例文
然し其の心持は嘗て北米の冬の荒原くわうげんを汽車から眺めた時とは全く味ひを異にして居る。北米の荒原は偉大なる悲哀寂寞のうちに自分を恍惚たらしめた。哲理的冥想に沈ましめた。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
影暗うして水重き潮の底の荒原くわうげん
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)