致置いたしおき)” の例文
御相談と申すはかの妾宅の一件御存じの如く兼々かねがね諸処心当りへ依頼致置いたしおき候処昨日手頃てごろの売家二軒有之候由周旋屋の手より通知に接し会社の帰途一応見歩き申候。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ここらは手のさきの器用をろうし、言葉のあやつりにのみこだわる歌よみどもの思ひ至らぬ所に候。三句切さんくぎれの事はなほ他日つまびらかに可申候へども、三句切の歌にぶつつかり候故一言致置いたしおき候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
二伸御忘れの金メダル同封致置いたしおき候確かこの中に貼付けある写真の主こそは恐るべき殺人者のよう承り候得共さるにても御同様親しく往来致居る彼の松村君がおおせの如き極悪人なりとは断じて信じ難き所に御座候
恐ろしき錯誤 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ここらは手のさきの器用をろうし言葉のあやつりにのみこだわる歌よみどもの思い至らぬ場所に候。三句ぎれのことはなお他日つまびらか可申もうすべく候えども三句切の歌にぶっつかり候ゆえ一言致置いたしおき候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)