自家じぶん)” の例文
文三と意気そりが合わねばこそ自家じぶん常居つねからきらいだと云ッている昇如き者に伴われて、物観遊山ものみゆさんに出懸けて行く……
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
仮令よしそれ等は実説にもしろ、人の痛いのなら百年も我慢すると云う昇が、自家じぶんの利益を賭物かけものにして他人の為めに周旋しようと云う、まずそれからが呑込めぬ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「お湯から買物に回ッて……そしてネ自家じぶんもモウ好加減に酔てる癖に、私が飲めないと云うとネ、けてるッてガブガブそれこそ牛飲ぎゅういんしたもんだから、究竟しまいにはグデングデンに酔てしまッて」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)