一分たったのか二分過ぎたのかを記憶せぬ。が、気分は段々に直ってきた。軽いうずきを頭のしんに覚えて、いつか脳貧血セリブラル・アニーミアを起した時のように、てのひらがネットリと汗ばんでいる。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)