脇坂わきざか)” の例文
氏はその一一一六六六という番号を基調に、間もなく彼女が子爵脇坂わきざか夫人であり、かの老人が家付きの七尾ななお医師であることを知った。
地図にない街 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
脇坂わきざかの部屋を振りだしに榎坂えのきざか山口周防守やまぐちすおうのかみの大部屋、馬場先門ばばさきもん土井大炊頭どいおおいのかみ、水道橋の水戸みとさまの部屋というぐあいに順々にまわって、十日ほど前から
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
みんな、その、貴殿に感謝しておる訳さ。で、今日も番士一統寄合よりあいを開いてナ、連名の上、貴殿のお許しを脇坂わきざか様まで願い出ようということになったのじゃ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
麻布あざぶ六本木の脇坂わきざか家から飯倉の松平伊賀、次に芝桜川町の松平右京家、愛宕下の島津兵部、そして金杉橋かなすぎばしの戸田大学という順である。戸田を済ませて出るともう町は黄昏たそがれだった。
主計は忙しい (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
脇坂わきざか部隊の戦傷勇士佐伯軍曹が、本町有志の熱心な懇請こんせいによって、今日午後一時から処女会の講堂で実戦談を行なわれることになったというビラがはりだしてあった。
キャラコさん:03 蘆と木笛 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)