ひび)” の例文
と、手の裏返す口上に、気は許さねど、張詰めし、胸には、ひびの入り易く。じつとうつむく思案顔。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
寒風に吹きさらされて、両手にひびを切らせて、紙鳶に日を暮した二十年ぜんの小児は、随分乱暴であったかも知れないが、襟巻えりまきをして、帽子を被って、マントにくるまって懐手ふところでをして
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
寒風に吹きさらされて、両手にひびを切らせて、紙鳶に日を暮らした三十年前の子供は、随分乱暴であったかも知れないが、襟巻えりまきをして、帽子をかぶって、マントにくるまってふところ手をして
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)