肘鉄砲ひじでっぽう)” の例文
旧字:肘鐵砲
狼が肘鉄砲ひじでっぽうをくわされてから、犬だの、鹿だの、兎だの、熊だの、獅子ライオンだの、あとからあとから、森のけだものが一つのこらずやってきました。
ほとんど口もきかずに肘鉄砲ひじでっぽうを食わせ、ついに手提鞄が着くと、すでに前もって命じておいた車へと急いで降りていった。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
「その御返事なら、もう、お那珂さんからきつい肘鉄砲ひじでっぽうをいただいて、私も、諦めてしまっているところだが……」
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの美少女にズドンと肘鉄砲ひじでっぽうを喰わせた……自分の従妹いとことも許嫁いいなずけとも、何とも認めなかったので、今度は手段をかえて、君をこの室に連れて来る様子だ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
感じたのであろう最初は一時の物好きで手を出したとしても肘鉄砲ひじでっぽうを食わされた上に男の眉間まで割られれば随分性悪しょうわるな意趣晴らしをしないものでもない。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
あいつのあの根性と、あのすばらしい剣術——どこまで考えても不思議な奴——肘鉄砲ひじでっぽうをくわされればされるほど、殺そうとまで嫌われれば嫌われるほど、妙に心がひかされてならないんだよ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)