“肉太”の読み方と例文
読み方割合
にくぶと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つい先日までは鉄金具の引手で、ほとんど円形に近い肉太にくぶとのものがありました。これらの棚や箪笥類をひさぐのは夷川えびすがわで、全町家具の通りであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
以上挙げた以外にも、まぐろ類には値段の安い白色肉のめかじき(切り身用)、同じく白肉の黒皮、この黒皮まぐろは肉太にくぶとで、八、九十貫もあって値も安い。
鮪を食う話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
実はぜんざいの何物たるかをさえわきまえぬ。汁粉しるこであるか煮小豆ゆであずきであるか眼前がんぜん髣髴ほうふつする材料もないのに、あの赤い下品な肉太にくぶとな字を見ると、京都を稲妻いなずますみやかなるひらめきのうちに思い出す。
京に着ける夕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)