耳髱みみたぶ)” の例文
耳髱みみたぶがブルブルふるえていた。色がだんだん紅くなった。バッチリ噛み切る歯音がした。鬢の垂れ毛を噛み切ったらしい。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼女は耳髱みみたぶに注意した。耳髱はいつもピンク色であった。それが彼女を若々しく見せた。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
総髪の裾が両肩の上に、ゆるやかに波を打っていた。その顔色は陶器のようで、ひどく冷たくて蒼白かった。眼の形ははやのようであった。眼尻が長く切れていた。耳髱みみたぶへまで届きそうであった。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)