ぼけ)” の例文
今まで非常に吠えて居ったところの犬はその主人に叱られたのでにわかかにポカンとぼけたような顔をして皆チリヂリに逃げてしまったです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
二人の運命がいざと云う間際までせまった時女はついに停車場へ来なかった。男は待ちぼけの顔を箱馬車の中に入れて、空しくうちへ帰って来た。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ふだんぼけている男に似ず、その足の早いことといったらまるでましらかなんぞのように。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)