老猾おやぢ)” の例文
そこで今の『美人びじクリイム』、これもその手にかかつたので、もとは貧乏士族の娘で堅気であつたのだが、老猾おやぢこの娘を見ると食指大いに動いた訳で
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これはよしんば奴の胸中が見え透いてゐたからとて、勢ひことわりかねる人情だらう。今から六年ばかり前の事で、娘が十九の年老猾おやぢは六十ばかりの禿顱はげあたまの事だから、まさかに色気とは想はんわね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)