羽箒はぼうき)” の例文
又或ところには大きな輪を置いたように岩が水の上に突き出て、その上に椰子の樹がぼさぼさと羽箒はぼうきを逆さにしたように立っております。
椰子蟹 (新字新仮名) / 宮原晃一郎(著)
食卓の上を大きな羽箒はぼうきでサッとひとで。どこにもご飯つぶなんかこぼれていない。それがすむと、キチンと窓際に整列する。
キャラコさん:07 海の刷画 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
柔い羽根をひろうと家ではそれを羽箒はぼうきにしてひき茶をはきよせるのを私は自分が拾ったのだといって御褒美に数をきめて臼を廻させてもらう。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
支那の仙洞せんとうを忍ばせる白鳥の羽箒はぼうきなぞ……そんなものは一つ残らず、未亡人が入院した昨夜から、昨日きのうの昼間にかけて運び込まれたものに相違ないが、トテモ病院の中とは思えない豪奢ごうしゃぶりで
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)